冬キャンプで一番つらいのは、夜寝るときの寒さだと思います。
シュラフの性能が寒さに追い付いていなくて、眠れなかったなんて経験、あなたもありませんか?

あるある!
冬の夜があんなに過酷だとは…
私も「全然寝れないよ!」という状態を何度も経験していますが、「モンベル」の冬用シュラフ「ダウンハガー800#1」を使うようになってから、ぐっすり眠れるようになりました。


私が持っているキャンプギアの中では一番高い買い物でしたが、その質の良さに満足しています。
今回は、モンベルのダウンハガー♯1を2年間使ってみた感想をレビューしていきたいと思います。
- モンベルのダウンハガー800#1を買おうか悩んでいる方
- 冬用のシュラフ(〜-3℃)を探している方
- ナンガ、イスカのシュラフと迷っている方
ダウンハガー800♯1のスペック


【収納サイズ】∅17×34cm(6.8L)
【重量】918g(946g) ※( )内はスタッフバッグを含む総重量です。
【価格】48,400円(税込)
<対応気温>
【コンフォート温度】-3℃
【リミット温度】-9℃
【エクストリーム温度】-28℃
※ダウンハガー800#1は旧モデル。
現在は、スペックが向上した新モデル(シームレスダウンハガー800#1)となります。



コンフォート温度?リミット温度?なにこれ?



どのくらいなら快適に眠れるか?っていう温度の基準だよ!
モンベルのシュラフの対応温度域って?
モンベルのシュラフには、EUROPEAN NORM(ヨーロピアン・ノーム)という耐久温度表記が採用されており、どれくらいの気温下で使用できるか、が表示されています。


- コンフォート温度(快適温度)…代謝の低い人がリラックスして眠れる
- リミット温度(限界温度)…代謝の高い人が丸まって眠ることができる
- エクストリーム温度(危険温度)…命に係わる温度域。使用厳禁。
今回ご紹介しているシュラフはダウンハガーの「#1」なので、上の図に照らし合わせると、-3℃までなら、快適に眠れるシュラフということですね。
実際のところ、快適温度域の下限の方では対策をしないと寒さを感じるのが実態です。
というのも、この「 EUROPEAN NORM 」は欧米人によってつくられた基準。
日本人の肌は欧米人に比べると寒さに弱いため、寒さに関しては厳しく見た方がよいとされています。
ダウンハガー800♯1のおすすめポイント3つ


寒さに強く、スペックの高いシュラフで、冬でもとっても暖かいというのはもちろん!
でも、個人的におすすめしたいポイントが3つあります。
- 生地が伸びるので寝相が悪くても大丈夫!
- 徒歩でもバイクでも持ち運べるコンパクトな収納
- 地味に効く!ジッパーがほとんど噛まない
生地が伸びるので足を曲げて寝られる
シュラフの形は「封筒型」と「マミー型」の大きく2種類に分かれます。
ダウンハガー800#1は「マミー型」に分類され、体にピタッと沿った形です。
このピタッとした形が、普段足を曲げて寝ている方にとっては寝苦しさを感じます。
その寝苦しさを解消するのがモンベルのシュラフの最大の特徴「スーパースパイラルストレッチシステム」です。
シュラフの生地が縦、横一定数伸びることで快適な眠りを提供します。


男性がシュラフの中であぐらをかける伸縮率なので、骨格が小さな女性なら十分ゆとりを感じることができますね。
どのくらい伸びるのか、かんたんに動画で撮ってみましたので、ご覧ください。



すごく寝相が悪い私でも、快適に眠れそうだね!
コンパクトに収納できる
冬用のシュラフというと、保温性能を上げるために綿の量が多く、収納サイズが大きくなりがち。
しかし、ダウンハガー800#1の中綿は、
「ダウン」を使っているため収納サイズが小さく、軽いです。
ダウンハガー800#1と同レベルの保温性を持つ「モンベル バロウバッグ#1」は化学繊維の綿を使ったシュラフ。
これと比較すると、重さは800g近く差があり、収納サイズも一回り差があるのがわかりますね。
コンプレッションバッグを使って更にコンパクトに
小さめといってもずんぐりむっくりなダウンハガー800#1。
積載に制限がある徒歩キャンパー、ツーリングキャンパーであればさらにコンパクトにしたいですよね。
そこで、絶対に一緒に買っておきたいのが、コンプレッションキャップです。
コンプレッションキャップをつけるとこんなに違う







大きさが全然違うね!!
ご覧の通り、収納サイズが明らかに違いますよね。


最新モデルの「シームレスダウンハガー800#1」であれば、Sサイズのキャップ。
旧モデルの「ダウンハガー800#1」はMサイズのキャップが適合します。
ジッパーが噛みにくい
シュラフはモノによりますが、ジッパーが生地をめちゃめちゃ噛むことがあります。
イライラして、無理やり引っ張り、生地を損傷してしまうことも…


モンベルは2020年から、生地の噛み込みを軽減するパーツが標準装備されています。
このパーツが地味に利くのです。
寝るときのあのイライラする時間がほぼ無くなり、快適になりました。
温度別の使用感



実際、どのくらいの温度までなら眠れるの?
これは気になる方も多いんじゃないかと思います。
気温別にどの程度の服装、準備があれば快適に寝られるのか?というのを、私の経験をもとにご紹介します。
女性の方が寒さに弱いとされているので、参考にしていただければと思います。
- テンマクデザイン パンダテント(冬に向かないテント)を使用
- (DOD バッグインベッド)の上にマット(サーマレスト Zライトソル)を敷く
- 暖房器具の利用はなし
- 関東近郊のキャンプ場 11月~2月


5℃以上の場合
- 服装:パーカー、ジーパン、靴下
- ぽかぽかグッズ:特になし
- 結果:7時間 爆睡
特に何の対策もせず、寝られる温度域です。
1℃~5℃の場合
- 服装:インナーシャツ、パーカー、インナーパンツ、ジーパン、靴下
- ぽかぽかグッズ:湯たんぽ、ほっかいろ(腰だけ)
- 結果:7時間 爆睡する
このくらいの気温までなら、「ぽかぽか」という単語がぴったりだと思います。



意外と薄着で寝るんだね



ダウンシュラフは薄着の方が体温が伝わるから良いんだよ!
ダウンシュラフは、熱をどれだけ伝えられるかによって、温かさが変わります。
0℃~-3℃の場合
- 服装:インナーシャツ、フリース、インナーパンツ、裏起毛ジーパン、メリノウール靴下、ネックウォーマー
- ぽかぽかグッズ:湯たんぽ、ほっかいろ (全身)
- 結果:寝入りに寒さを感じるが、その後7時間爆睡
「快適温度域」内ですが、このくらいの温度帯だと、対策をしないと”寒い”です。
上記のような服装、準備をしていれば、寒さを感じずに寝られます。
-3℃以下の場合
- 服装:インナーシャツ、フリース、インナーパンツ、裏起毛ジーパン、メリノウール靴下、ネックウォーマー
- ぽかぽかグッズ:湯たんぽ、ほっかいろ (全身)
- 結果:寝入り1~2時間くらいは寒さで寝られない。その後6時間は寝られた。
「快適温度域」外となり、一般男性が膝を抱えて寝るレベル。
テントとマットが気温に合っないのもあり、寒くて寝付けませんでした。
下記のような対策をすると安心です。
- テントをポリコットン素材にする
- あらかじめストーブでテント内の温度を上げる
- インナーシュラフを利用し、保温性能を上げる
- マットのR値を上げ、底冷え対策を強化する
唯一のデメリット 濡れに弱い
大きな欠点のない、ダウンハガー800#1 ですが、唯一、水に弱いのが欠点です。
ダウンシュラフの場合は、ダウンが濡れてしまうと保温力が低下してしまいます。
特に冬はテント内と外の温度差によって、結露が発生しやすく、シュラフが濡れてしまうことも。
シュラフカバーで濡れの防止を!
テント内の結露が心配な場合は、シュラフカバーを使いましょう。


モンベルから出ている「ブリーズドライテック ウォームアップスリーピングバッグカバー」がおすすめ!
濡れの防止だけでなく、裏起毛なので保温性能もUPできて、一石二鳥です。
ドライシームレスダウンハガー900ならシュラフカバーいらず


値段はかなり張りますが、ダウンハガー800の上位互換である、「ドライシームレスダウンハガー900」であれば、生地の表面に防水透湿性素材であるGORE-TEXが当てられています。
GORE-TEXとは、防水性・防風性と、スリーピングバッグ内にこもった汗の水蒸気を素早く逃がす優れた透湿性を合わせ持つ素材です。
これならシュラフカバーがなくても、ダウンシュラフを常に濡れから守れますね。


競合 ナンガ・イスカとの比較


冬用シュラフを買うときに、比較検討されやすいのがモンベルと同じくシュラフ3大メーカーである「ナンガ」と「イスカ」です
私もほぼ同じ価格帯のこの2つのブランドとモンベルで比較をしました。
ダウンハガー800#1と比較したのが以下の2商品。
- ナンガ オーロラライト600DX
- イスカ エアプラス630
画像 | 快適温度 | 下限温度 | 収納サイズ | 重さ | 金額(税込) | |
モンベル シームレス ダウンハガー800#1 | ![]() ![]() | -3℃ | -10℃ | φ16×32cm | 893g | 49,500 |
ナンガ オーロラライト600DX | ![]() ![]() | -4℃ | -11℃ | φ17×31cm | 1,050g | 55,000 |
イスカ エアプラス630 | ![]() ![]() | – | -15℃ | φ20×34cm | 1,030g | 58,300円 |
ナンガの特徴
モンベルの冬用シュラフとよく比較されるのが「ナンガ オーロラライト600DX」です。


- 永久修理保証がついている(自己都合は有償)
- ダウンの産地、加工にこだわりあり
- 頭・首元・ファスナー周りなど寒くなりやすいところに工夫あり
ナンガのダウンシュラフには、永久保証が付いてきます。
自社製品への自信があるからこそできるサービスです。
また、冷えやすい首回りと肩周りには、絞るための紐がついていたり、ダウンが多めに使われているのも特徴です。
イスカの特徴


モンベルの冬用シュラフとよく比較されるのが「イスカ エアプラス630 」です。
- 圧倒的な保温力!
- カチッと設計された3D構造
- 超撥水性の生地なので、結露に強い
イスカは、創業以来45年間シュラフだけを作っているという、職人気質を感じるブランド。
こだわりぬいたその技術で、当たり前に求められる保温性能などを高いレベルで実現。
3D構造という独自のシルエットを採用し、保温性能の格上げ、圧迫感のない快適な寝心地を実現。
寒さに敏感な足元部分には多めのダウンが封入され、適度なゆとりをもたせた逆台形形状も特徴です。
なぜモンベルを選んだのか?



ズバリ寝心地を重視したかったからだよ
マミー型シュラフを検討し始めたときに、身動きがとりにくくて「寝苦しい」というのが引っかかっていました。
そこで、心に響いたのが生地が伸びるモンベルの「 スーパースパイラルストレッチシステム 」
横になって足を曲げて寝たい私には、モンベルが一番でした。


また、生地が伸びる素材のおかげで収納がめちゃめちゃ楽です。
画像のように袋にギュウギュウ詰めていくだけでオーケー!



ズボラさんにはぴったりなシュラフだね!
【まとめ】ダウンハガー800#1 は本当におすすめ!


冬キャンプの寒さを制するためには、寒さに強い冬用シュラフが必要です。
私がおすすめしたいのは、モンベルの『ダウンハガー800#1 』。
2年使ってきましたが、5度程度の気温なら、何もせずともぬくぬくと暖かく熟睡でき、冬キャンプでも安心。
しっかり対策すれば氷点下でもOK!
保温力だけでなく、次の3つのポイントもおすすめの理由。
- 生地が伸びるので寝相が悪くても大丈夫!
- 徒歩でもバイクでも持ち運べるコンパクトな収納
- 地味に効く!ジッパーがほとんど噛まない
モンベルのシュラフの最大の特徴、伸びる生地のおかげで圧迫感のない、快適な眠りが楽しめますよ。



冬キャンプを楽しみたい方に本当におすすめのシュラフだよ!



高いけど…買っちゃおうかな!